クラウドファンディング 《絵本みたいな場所》プロジェクト

『カナウニワの物語』の はじまり

井戸を掘ることから

「砂漠が美しいのは、どこかに井戸をかくしているからだよ …… 」（サン＝テグジュペリ「星の王子さま」）

子どもたちに なにが返せるでしょう。

それは、新しいものでも、特別なものでも、高価だというものでもなく。

たとえば、大きな木かげ。花々と緑で埋まったベンチ。薪窯で焼くパン。聞いたことも見たこともない、世界中の音楽と絵本。

そして、溢れでる井戸のつめたい水 ……。

子どもたちからの借りもののこの世界を、もとのままの、美しいままに、たしかなことがある場所に戻して返せたならと、
昨年のクリスマスからこのプロジェクトは始まりました。

絵本作家・ミロコマチコさんが、シンガー・あがた森魚さんの宮沢賢治の朗読で、絵本屋の 15個の本箱にライブペインティング。前庭には、フランスから10トンもあるパン窯を運んで建った〈公園の薪窯パン屋〉の開店。
たくさんの子どもたちと植えた〈百年のモミの木〉、地面そのものを〈花花の椅子〉にするために育てるクレピア ….。

この夏には、若いロースターたちが日替わりで毎日淹れる〈コーヒースタンド〉を自分たちで建てたり、
世界中から集めた誰も聴いたことのない音楽を集めた小さな〈CDショップ〉を、館内に作ったりします。

そして、この秋。

ギャラリーで開催される「水の絵本」展（詩 : 長田弘）に合わせて、絵本作家の荒井良二さん、そして仲間たちと、
庭の真ん中、35年前に植えた花梨の木の下に、「井戸」を掘ります。

「井戸」の語源は「居処 : いど」。ひとが集まる場所という意味だそうです。
水が出たら「井戸」の周りに集まる人たちと、たとえ小さくても、ここを少しでも生きやすい場所へゆっくり変えていけたならと。
そしてここから、たとえば「洗濯とトイレと庭の木にあげる水ぐらいは自分で」と交わす言葉が生まれ、
さらにそれぞれの「小さな自衛」のネットワーク作りへと、拡がっていってくれたならと願います。

「カナウニワ」（「願いが叶う庭」から 荒井良二さんが命名）

この場所はきっといつかの夏の日。薪窯で焼けたばかりのライ麦のパンと、井戸の水と果樹園になった庭で獲れたばかりの檸檬を絞ったレモネードと、
古い古いお話の絵本を抱えた子どもたちが、50メートルにもなるモミの木の下で、近くの森での遊びの相談をしているわけで。

そんな木陰を、今からつくっておきたいと思います。

どうぞ「カナウニワ」という《絵本みたいな場所》をつくっていく物語の登場人物になってください。

クラウドファンディングの「返礼品」は、荒井良二さんの「カナウニワ」のオリジナル作品等を限定でご用意致します。

詳細は 募集を始める 9月9日（月）までに、少しづつお知らせしていきます。

「カナウニワの物語」動画 #01